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昭和マイルド

今はなきシティサーファーの巣窟
渋谷ハイストーンに勤めていた
店主を訪ねて

昭和40年男が残したもの

1950年から上野で続く、セレクトショップのはしりとも言える名店、玉美の店主・相羽岳男さんに話を聞いた。

※この記事は雑誌『昭和40年男』、2022年2月号に掲載したものです。

本流からちょっと外れた文化のモノも、重要な服

目まぐるしく新しいショップが生まれる時代だが、老舗店を軽視してはいけない。ここ東京・上野の玉美は1950年創業のアパレル店。

創業当時の玉美。アメリカのメンズ下着、ジョッキーを日本でいち早く輸入して販売を開始。徐々に輸入物のメンズウエアの展開が始まっていった

今は、73年からこの店に通っていたという昭和30年生まれの店主・相羽岳男さんが切り盛りしている。娘婿だが、侮るなかれ。経歴からくる独自の目線に誰もが心をくすぐられている。相羽さんは78年から今はなきシティサーファーの巣窟、渋谷ハイストーンに勤めていた稀有な存在。人気のUSブランドは当然、ファーラーを元にしたオリジナルのホップサックパンツを作るなど、たとえると 『ポパイ』『メンズクラブ』 のみならず、絶妙に当時の 『ファイン』 感もあるのが、ならでは。

「心の奥にアンチがあるんです」 と笑って話す相羽さん。正統派ロックは無論、ゴーゴーズなどのニューウェイヴからパブロ・クルーズなどのサーフロックまで、バンドTのチョイスひとつをとっても洒落っ気がある。当時話や、業界話を交えるブログも評判で、それら相羽さんの感性こそが、ファンを絶やさない魅力だ。70〜80年代当時の若者文化の生き証人だからこそのセンスが、老舗の風格とクロスオーバーする。

ここがただのアメカジ店でないことが、一目でうかがえるラック。バンドTだけじゃない、映画モノに、古きよきサーフブランドの復刻Tシャツなども輸入

SHOP DATA「玉美」

1950年から上野で続く、セレクトショップのはしりとも言える名店。大定番のアウトドアメーカー、シェラデザインズのマウンテンパーカーやレインスプーナーのコットンアロハなど、USブランドの本流を古くから扱いながらも、オリジナルウエアの製作や、他店にないニッチなアメリカモノを輸入。

住所:東京都台東区上野6-4-12
電話番号:03-3831-7502
営業時間:10:30~19:00 火曜休
HPリンク:http://ameyoko-tamami.com/

取材・文:トロピカル松村