10

昭和マイルド

作曲家・大野雄二さん
お別れの会私的レポ
at Billboard Live TOKYO
2026.9.2

編集部

今年5月に死去した大野雄二さん(享年84)。多くの名曲を残した名作曲家のお別れの会が1日、東京・六本木のビルボードライブ東京で営まれた。その様子を仕事で関わりの深かった筆者が綴る。

ロビー展示の一部。YUJI OHNO & LUPINTIC SIXのフェイスタオルの上に著書やレコード。ルパン関連CD、楽譜、下にはCM音楽のテープもある

今年5月に亡くなられた『ルパン三世』『犬神家の一族』など数多くの作品で名曲を生み出した作曲家、ジャズピアニストである大野雄二さんのお別れの会が、9月1日(火)と2日(水)に東京・六本木のビルボードライブ東京で行われた。

午後から夕方にかけてが一般のファンのための時間、夜はミュージシャン及び仕事関係者の時間であり、筆者は二日目の夜に伺わせていただいた。ビルボードライブ東京は、Yuji Ohno & Lupintic SixとFujikochansなど大野雄二のライブが開催された場所のひとつ。近年は大野雄二プロデュースとして、そのメンバーにサポートミュージシャンも加わったLupintic All Starsのライブを現場で見守っていた会場だ。入口、ロビーに飾られた数多くの大野雄二さんの写真が来場者を出迎えてくださるような、これからライブが行われるような空気を感じた。

ロビーでは『ルパン三世』のいくつかの楽曲、『人間の証明』『野性の証明』といった映画の直筆の楽譜や、レコード、CD が展示されてあり、カウンターの奥にまで関連CDが置かれてあった。

受付で受け取った記念品のカードには、逝去後に大野雄二公式Xアカウントにポストされた「では又、バイビー」の写真が使われていた。場内に入ると、ステージには大野さんの写真(気持ち的に遺影とは書きたくないので…)がルパンと峰不二子のフィギュアと共に愛用のフェンダー・ローズ・エレクトリック・ピアノの上に飾られ、スタインウェイのグランドピアノも置かれている。

ステージに置かれた写真と愛用のフェンダー・ローズ・エレクトリック・ピアノ

客席が通常のライブと同様に使われており、自由席。ドリンクをオーダーして着席。そして献杯。

筆者は大野雄二さんによるルパンミュージックの初期楽曲をまとめていく、あるいは大野さんの監修によって新たなMIXの音源を生み出すCD(※)の企画制作をかつて共にした友人的な日本コロムビアのプロデューサーと席で待ち合わせて、大野さんとの思い出を語り合った。受付で受け取った大野さんの写真カードはすぐにバッグにしまわず、テーブルに置いた。

配布された記念カードに使われた写真のポスト画像(大野雄二公式Xアカウントより)

また、筆者がVAP勤務時代の先輩、後輩とも再会(ちなみに筆者はVAP勤務時代は大野雄二さんの担当ではなかった)。それもこのタイミングで生まれた縁だろうか。

ステージにあるスクリーンには大野雄二さんのインタビュー映像やライブ映像が次々と映し出された。その音響に大野さんのライブに来たかのような、大野さんがすぐそこにいらっしゃるような感覚になる。大野雄二さんのライブで司会を務めることもあったTBS土井敏之アナがステージ脇に時折現れて、来場者をエスコートするようなトークを添えた。


21時の終了時間が迫った頃、2004年に大野雄二さんの担当ディレクターに始まり、そのキャリアの途中から大野さんの音楽を支え続けたマネージャーからの挨拶と思い出話が披露され、その中で語られた現在進行形にこだわった大野雄二の姿勢、音楽を止めずに今後も現在進行形で残していくことの大切さ、大野雄二がプロデュースしたLupintic Band(おそらくLupintic Six、Fujikochansのメンバーも含めたLupintic All Starsかと)は解散せず今後も活動を続けていくことなどを聞いて胸が熱くなった。

お別れの会の案内文にある「しめっぽいことが嫌いだった故人です。どうか大野雄二の音楽とともに、それぞれの心の中にある思い出を胸に、笑顔で偲んでいただけるひとときとなりましたら幸いです。」というメッセージ通りの大野雄二さんの音楽で満たされた素晴らしい会だった。

ステージ上のエレクトリック・ピアノとグランドピアノ


※日本コロムビアから2003年〜2004年発売『ミュージックファイルシリーズ/ルパン三世クロニクル』としてラインナップしたシリーズ。『ルパン三世 1977 MUSIC FILE』『ルパン三世 カリオストロの城 MUSIC FILE』など約10タイトルのCD。新たなMIXの音源CDは『LUPIN THE THIRD THE ORIGINAL-NEW MIX 2005–REMIXED BY YUJI OHNO-』ほか。
https://columbia.jp/search?sc%5Bkw%5D=%E3%83%AB%E3%83%91%E3%83%B3%E4%B8%89%E4%B8%96%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%8B%E3%82%AF%E3%83%AB

高島幹雄
たかしま・みきお|昭和40年生まれ。元VAP(ディレクター&プロモーター)。
現フリーランスのCD制作者&書籍企画編集者、ライター、ラジオパーソナリティ。
+『昭和40年男』編集部

文・写真:高島幹雄